JR指宿枕崎線の線路の土手に、彼岸花が群れ咲く処がある。私はまだ一度もそれを見たことがないのだが、天上の藍を背景に点々と赤く燃え盛る風景はまさに彼岸のそれだろう。
「土曜、出てくれないか」という打診があった。しかし先週も土曜出勤でみな疲れ切っている。誰も「うん」と言わぬままうやむやになった。どうやらこの彼岸花が頭を出す前に雑草を刈り取ってしまいたいという意向のようなのだが……。
別名曼珠沙華(まんじゅしゃげ)、俳句では「死人花」とも。彼岸近くなると、人家近くの田圃の畦や道端ににょきにょきと競い立ち華麗な6花弁を広げる。赤の外に黄色、白色など、世界中には1000種もの仲間がいるらしい。有毒植物である。姿かたちがあでやかで優雅な割りには人に好かれていない。「あの世の花」という意識が先に立つようだ。
初めて俳人と言える先生に添削してもらった掲句、「切り口はいいのだが……。ま、初めてにしては…ん、こんなもんですかな」と、褒められたのか貶されたのかよくわからぬ評価をもらった。
私はもともと無季非定型派、山頭火などを好む。しかし世の中すべてホトトギスになってしまい、評価は定まった。転向してときおり有季定型の腰折れ一句を捻るようになって既に15年。師も持たず勝手気ままな手慰みだが、進歩はあるのだろうか?
今ならこうだ。
天上の蒼点々と曼珠沙華
俳句は自分を客観し俯瞰することにもなり、自分を見つめ直す機会ともなるので続けている。難しく言えば、即自から対自へときたま意識を深化させるということかな。わっはは!


